小川村の語り伝えた天気予報
昔、ラジオもテレビもなかった頃の天気予報は、自分たちのまわりの自然の動きで知るよりほかなかった。
大昔からの長い間の経験から生まれたものであろうが、語り伝えられている天気のことわざは、たくさんあって、それなりに合理的で、意外よくあたることが多い。
村内で語られてきた主なものをあげてみる。
出典:小川村誌[昭和50年(1975)10月15日発行]
空もようによる天気予報
・夕焼けすると明日天気がいい。
・朝焼けは、天気が悪くなる。
・朝虹がでると雨になる。夕虹は天気になる。
・朝日がチャッカリすると雨になる。
※朝日のチャッカリ芸者のニッコリ(あてにならないこと)。
・アルプスが近く見えると雨。
・虫倉山が朝はっきり見えると雨。
・雲が北へ流れると雨。西へ流れると風。
・西の空が晴れていると晴。
・月におかさがかぶれば雨。おかさの中に星が二つあれば二日後に、一つあれば一日後に変る。
(おかさが小さければ早く天気が変る)
・朝雨と女の腕まくりはたいしたことはない。
・ウロコ雲(イワシ雲)が出ると翌日雨。
・入道雲が出ると夕立。
・霧足がそろうと天気がよくなる。
・夕焼けすると明日天気がいい。
・雷三日。(ある日雷がなると三日は続くものだという。)
動物・植物による天気予報
<<動物>>
・ブヨ(ブユ)がもちをつくと天気が変る。
・アリの行列が穴をうめていると大雨になる。
・アマガエルが鳴くと雨が降る。
・蛾が多く飛んでくると天気が変わる。
・ツバメが低く飛ぶと雨になる。
・トビが午前中に出て鳴くときは雨。午後出て高くとぶときは晴れる。
・ネコが手で顔をふくときは雨。
・羽蟻がたんと出るときは天気が変る。
・ミソッチョ(ミソサザイ)が鳴くと雨(雪)が降る。
・夜、雉が鳴くと地震。
<<植物による天気予報>>
・木の葉が裏がえしになるときは雨か夕立。
身辺の変化による天気予報
・頭の重いときは天気がくずれる。
・煙がつまるときは天気が変る。
・飯釜の底がぬれると雨。
・汽笛(佐野坂駅・川中島駅)がきこえるときは雨。
・子どもがはしゃぐ(声がそうぞうしく聞こえる)と雨。
長期予報・豊凶予報
・暑さ寒さも彼岸まで。
・寒の雨は夏雨にまさる。
・寒雨たから。
・おかのえの日に天気がよければ続く。
・二百十日に風雨がなければ豊作。
・八十八夜の別れ霧。
・春の彼岸に雨が降れば、秋の彼岸に雨が降る。
・イナズマの多い年は稲の穂ばらみがいい。
・大雪の年は豊作(雪は豊作の貢物)
・笹に実のつく年は凶作。
・カズ(楮)または藤の木ののびた年は雪が多い。
・カズ(楮)の葉がおちると雪が早い。
・土用照りは豊作。
・竹の花が咲けば凶作。
・蜂の巣が高いときは雨が多い。
・初雪が早いと豊作。